THX® CINEMA SERIES
THX とは、アメリカ映画界を代表する製作者の一人、ジョージ・ルーカスにより提唱された、映画作品を高品位に再生するための総合的なプログラムの呼称です。THX には、映画館や製作スタジオ向けの規格の「THX システム」と、家庭向けの規格の「ホームTHX システム」と、ソフト面のクオリティ
管理を担う「THX マスタリング」の3つに大別されます。なお「THX」という名称は、ジョージ・ルーカスの監督第一作「THX-1138」と、システムを完成させたトム・ホールマンの頭文字から取られたと言われています。ホームTHX システムには、主に次のような目的があります。
「劇場と家庭との空間の違いによる音響再現性の差異を無くす」
「十分な高品位再生が可能な仕様であることを保証する」
「操作や接続などが容易に確実にできるようにする」
ホームTHX システムは、アンプとスピーカーへの対応が大半でありますが、他にケーブルやスクリーン、更にはプレーヤーなどにも広まってきています。AVアンプ(AVセンター、プロセッサー、パワーアンプ)では、DレンジやS/N などの基本性能の確保の他に、次のような独自のプロセスが盛り込まれています。
Cinema Re-Equalization(シネマ・リ・イコライゼーション)
映画のフロント音声は、スクリーン透過や客席などの音響特性を考慮し、あらかじめ高域を強調した音作りがなされます。そこで家庭で再生する際も、最適な音響特性となるように帯域バランスを調整させるのが、リ・イコライゼーション機能です。
Adaptive Decorrelation(アダプティブ・デコリレーション)
映画館のサラウンドスピーカーは、客席を取り囲むように16個以上が設置されており、それにより音に包み込まれるような効果が得られます。一方、家庭ではほとんどが2個の設置であり、音の広がり感が損なわれてしまうため、独自の回路で無相関化を行い、広がり感を持たせるのがアダプティブ・デコリレーションです。
Timber Matching(ティンバー・マッチング)
例えば、前から後ろへ音像が移動する場合、人間の頭蓋や耳殻の回析効果などにより、後ろからの音の聞こえ方が変化して、途中で音が変わったように感じてしまいます。そこでサラウンド音声の周波数特性に補正を加え、特に前後方向での音像の移動に自然な効果を出させるのがティンバー・マッチングです。
またスピーカーにおいては、周波数特性などの基本性能の確保は勿論、サラウンドスピーカーには音を拡散させるため双方向に志向性を持たせたダイポール形式が採用されています。
THX Ultra2 は、ホーム THX システムの最高規格であるTHX Ultra を、デジタルサウンドフォーマットへ対応するため全面改定した新規格【。3,000ft3(約85m3/約20畳程度)・スクリーンからの距離が3.5m以上の視聴環境】をターゲットにしています。従来のTHX Cinemaに、THX Ultra 2 Cinema Mode やTHX Music Mode が追加されました。THX Select2 は、ホーム THX システムの最高規格であるTHX Ultra の基幹技術をそのまま継承した規格。【2,000ft3 ( 約57m3/ 約15 畳程度)・スクリーンからの距離が3~3.5m の視聴環境】をターゲットにしています。
従来のTHX Select にASA(Advanced Speaker Array)が追加され7.1ch 対応となりました。